
予定では村で昼食を食べずに急ぎグラナダの町へ戻り、日が暮れないうちにアルハンブラ宮殿の観光をすますよう計画を立てたのですが、軽い昼食をとの事で、庁舎より少し下り降りたイギリス出身の音楽家キャサリン氏の自宅を訪問しました。
このキャサリン氏の自宅の横には日本人作家の石川氏の自宅、(しかし残念ながら石川氏は急用で急遽日本に帰国し会うことが出来ず)そこから少し離れてイギリス人建築家のラファイル氏の自宅と続いておりました。
庁舎より少し下ったこの美しい村の家並みは、石造りの古い共同洗濯場をはじめ、教会や狭い路地など漆喰や石灰で真っ白く塗られ、傾斜地を利用するために陸屋根(屋根に勾配がなく平らな屋上になっている)にした白い家が、深い谷を隔て、向かいの村の山並みをバックにそれは美しく私達を迎えてくれました。
私達がゆっくりと村の路地歩きを楽しんでいる間に、昼休みに入った先ほどの村長さんが服を着替え、普段着のラフな姿ですでに彼女の自宅に待機していて下さいました。
この村の住宅は全て石造りやレンガ造り、この辺りの山には低木ばかりで大きな木が生えておりません。その為に木材は私達が想像する以上に貴重品のようであります。
そして屋根には細い木の梁がかけてあり、その梁の間に木の枝のような粗末な木で屋根の石を支えている状態であり、どう見ても屋上に乗ると人の体重を支えるような耐力はなさそうに思われます。
暖は薪ストーブで取るようで、先ほどのホテルと同様にこの家にも薪ストーブや暖炉が確りと座っておりました。
さて一階の玄関からキッチンと彼女の仕事場を通り、二階のダイニングと寝室、音楽スタジオ、と一通り案内されてから、二階のダイニングで村長、ラファイル氏にキャサリン氏を交え、全員そろって地酒でこの運命的な出逢いに乾杯しました。
生ハムをはじめこの地元で作られた腸詰類で賑やかな祝宴が行われました。
この彼女の家は300年400年、築年数に至ってはもう誰も分からず記録もないそうです。
但し、家の改修で出た古材は一本残らず全てを使い回し、残った古材は厳重に保管して管理しているとの事でありました。
建築家のラファイル氏には京都の建築本と日本の古民家の本と英文の伝統的な日本の建築の紹介本を、彼からはシェラ、ネバダ山脈地方の山麓アルプハラの紹介本をいただきました。
またマルセロ村長からはピトレス村のパンフレットや紹介本等々をいただき、代わりに新城市の新しく出来たパンフレットや日本のお土産を渡しながら、話し尽きない貴重な時間を過ごしました。
心ゆくまで見知らぬスペインの地で過ごす事が出来るこの事実に感謝し、地酒の酔いの快感にひたリながら、この豊かなる幸せに酔いしれるひとときでありました。
Posted by 奥三河田舎暮らし隊 at 13:28│
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